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青山亨先生

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電予レファレンスを使って 基礎的なリサーチカを

Qレファレンスは図書館に必要だと思われますか?
Aもともと専門はインドの仏教学だったのですが、それからインドネシアを中心とする東南アジアの、特にインドの影響をうけた時代に関心が移っていきました。インドネシアは、今はイスラムが中心なのですが、ヒンズー教徒や仏教が入ってきた時代がありまして、そのイスラムが入ってくる以前のインドネシアの歴史と文化を専門分野のひとつとして研究してきました。ただ、インドネシアをやっているとイスラムを避けて通ることはできないので、時代がだんだん下ってきまして、イスラムが入ってくる頃のインドネシア、とくにジャワの文化的な状況にも関心を広げています。
Q弊社のレファレンスで、書籍でお使いいただいていたものはございますか。
A今回eBookで購入したもので言うと、「Encyclopedia of Islam and the Muslim World」(イスラム百科事典)はeBookで初めて購入したのですが、「Encyclopedia of Religion」(宗教百科事典)はもちろん有名で、以前から知っていました。
Qレファレンスを具体的にどのようにお使いいただいていますか。
A研究と教育とで分けた場合、まず教育の分野で、学生に自分の知識を伝える際に、もう一度自分の知識を見直すときに使います。自分の知識はどうしても自分の関心が中心になるので偏ってしまうことがあるからです。学生に伝えるときに抜けているところなどをもう一度確認したり、いわゆる定説と引き比べて伝えるべき教育内容をもう一度整理したりする必要があるわけです。そういう意味で、事典類はきれいにまとまっていて、基本的な部分をきちんと押さえてくれているので助かりますね。それから研究の分野では、自分の研究の中心領域からすこしはずれた周辺領域について確認する際に、こういった事典類は最初のとっかかりとして有効ですね。
Q日本語でもいろいろなレファレンスが出ていますが、
あえて英語のものをご覧になるのはどういった理由によりますか。
Aまず日本語・英語ということ以前に、やはり1つのレファレンスに頼るというのは危険性があります。そのレファレンスを書いている人の観点や視点がありますから。私自身は、レファレンスはできるだけ複数使おうと思っています。そうすると日本語だけで複数ということはあまりないわけです。たとえば「イスラム事典」ということなら平凡社と岩波書店のものがあって、私は両方を見るようにしているのですが、それにプラスアルファということになるともう日本語はありませんから、英語のものを見ることになります。分野によっては英語のものしかない場合もありますから、それらはもちろん英語のものを使うことになります。また、日本のレファレンスには当然、日本の視点が入ってきますので、そうでない視点からみた場合どうだろうか、ということがありますよね。
なんといっても、自分の研究室からよめること
Q書籍版と電子版を使い比べてみていかがですか。
A電子版の長所から言いますと、やはりなんといっても自分の研究室から読めるというのが一番大きいですね。あと必要に応じて一部分をコピー&ペーストすることも可能ですし。短所については、強いて言えば、書籍の場合はいろいろと付箋を貼ったり、自分のものであれば書き込みができたりということがありますが、電子版は簡単にはできない。ただ電子版と書籍版を比べた場合、圧倒的に電子版の方が有利かな、と思っています。
Qネット上でWikipediaなどのレファレンス情報も簡単に得られるようになりましたが、
それらと比べていかがですか。
Aやはり出版された事典は内容の学術的な信頼性がありますね。Wikipediaも結構使えるので、私自身も最近は使うことがあるのですが、自分の知っている分野について「ここはどうもおかしい」とか「ここは不足している」とかしょっちゅう感じるんですね。そういう場合は自分で補っていけばいいのですけど、それと同じことが自分の知らない分野でも当てはまると思うのです。その意味でWikipediaは信頼性に少し不安があります。そういう意味で、このような複数の著者によって書かれ、編集を経た事典は信頼がおけます。特に「Encyclopedia of Religion」などは第2版と版を重ねていますので安心感がありますね。
Q授業やゼミの中でGVRLをお使いになったことはありますか。
Aまだないですね。例えばゼミをやる共同研究室にはネットにつながったパソコンが2台あるのですが、ゼミの学生に対してはそれを使ってこうした電子版のレファレンスですとか、ネットを使った情報検索の方法は教えています。ただ授業のなかで学生がいっぺんに使うとなると、学生が一人一人、ネットにつながった端末を持っていないといけない。残念ながらそういう環境はまだ整っていないですね。
Q例えば「来週までにこういうテーマで検索して読んできて」とか、
そういう使い方なら可能かもしれませんね。
Aそれは可能ですね。最近、大学のサーバーで研究者が自分のブログを作れるようになりまして、今月から授業用のブログを立ち上げたのです。そこで各ゼミごとに「今回のまとめ」とか「次回の予定」とかを出しているのですが、それを核として「こういうテーマで調べなさい」ということを学生にやらせることはできそうですね。それはぜひ組み込んでみたいと思います。
学生lには積極的lご利用してほしい
Q先日、貴学図書館で学生むけにGVRLの説明会をやらせていただいたのですが、
ずいぶん興味を持っていただいたようでした。
Aそうですか。大型の参考図書は、大学に一箇所しかない図書館に置いてあって、しかも貸し出し禁止で、学生にとって非常に使いにくいんですよね。そういう中で電子図書というのはすごく使いやすいと思うので学生には積極的に利用してほしいと思っています。だけど大学図書館のサービスの改善というのが学生にうまく伝わっていないことがあります。その意味で、研修会を行うのは重要なことだと思います。
QGVRLの中で先生がよく使われる機能はありますか。
A基本的には検索ですね。やはり検索ができるということ、特にGVRLの場合、複数のレファレンスを横断して検索できるというのは一番便利な点だと思います。何冊かあるeBookのなかから検索結果に見出しが並びますから、「これが一番使えそうだ」というのを選べる。あと、記事の中で特定のキーワードがどこに入っているかがすぐにわかる、というのも便利です。今、ある日本の事典の記事を執筆しているのですが、こういうものを頻繁に使っていますね。あと、記事の引用形式が3種類選べるようになっている仕組みは非常に便利だと思います。それから、PDFがダウンロードできること、単に電子版の形ではなくて紙の形が再現できるようにプリントアウトできるというのは大変便利ですね。
Q各項目の末尾に参考文献一覧がありますが、そちらはご覧になりますか。
A参考文献一覧は見ていますね。それ自体を参考にするというよりは、その記事が書かれていくうえでどういうものが参考にされたのかということはチェックしておく必要があると思います。
Q最後にこれからGVRLを利用しようという学生や教員のみなさまにメッセージをお願いします。
A学生の方で、広い意味でのレファレンスの使用がまだ不十分だな、ということは感じています。基礎的なリサーチ力をつけてほしいと思います。そういうときに非常に入りやすくて、しかも深い道具としてこの電子レファレンスは非常に有効だと思いますし、積極的に使ってほしいですね。また教師の方も、私も含めてですが、学生まかせにするのではなくて、授業とかゼミの中で電子レファレンスの使用について取り組んでいくことは、これからますます必要になっていくと思います。
ありがとうございました。



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